2017年7月14日 更新

発達障害 3種類の特徴と適切な対応

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発達障害という言葉が世間で聞きなれた言葉になり、保育施設などでも発達支援が浸透してきました。発達障害を抱える子供がどのような特性を持つのかを理解することは、子供たちへの関わり方を探る糸口になります。
今回は、発達障害を抱える子供を理解し、適切な関わりをするために、
1.発達障害を抱える子供を理解する姿勢
2.発達障害3種類の特徴と対応
3.具体的なケースと対応
について、現役保育士&心理カウンセラーの私がご紹介してゆきます。

1.発達障害を理解する姿勢

発達障害を抱える子供に対する周囲の大人の理解は、その子本人の成長の助けになります。始めに、発達障害を抱える子供がどのような気持ちで過ごしているのかを理解してゆきましょう。

「困った子」として扱われて苦しむ

発達障害とは、発達の極端なアンバランスが見られる障害の総称です。原因は子供が抱える先天性の脳の機能障害であり、親御さんのしつけや育て方によるものではありません。発達障害を抱える子供は、難しい言葉をたくさん知っている、とっても手先が器用、特定の分野の記憶力が優れているなど、何かの能力に長けていることが多くあります。その反面、指示が通りにくい、お友達に手を上げてしまう、集団生活がうまくできないということもあり、できることとできないことが極端です。そのため「わがままな子供」「困った子供」「変わった子供」と捉えられ、子供本人やその親御さんは苦しい思いを抱えてしまいます。
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困っているのは子供本人

発達障害を抱える子供は、周りの大人から「困った子」として扱われがちですが、発達障害の特性を理解してゆくと、困っているのは子供本人であることがわかってきます。発達障害を抱える子供が何に困っているのかを、子供の心に寄り添いながら理解し、幼少期から適切な対応をしてゆくことが大切です。

乳児期には気づきにくい

発達障害は、乳児期には気づきにくく、言葉が話せるようになってくる2〜3歳ごろに「なんかうまくお話しできないな」「行動が人と違うような気がするな」ということに気づき始めます。また、家庭では気づけなかったことも保育施設に通い集団生活が多くなると、顕著にみられるようになります。

発達障害3種類の特徴と対応

発達障害には様々な症状がありますが、大きく分けて3つの種類があります。その種類と特徴を理解してゆきましょう。
*症状の分類はアメリカの精神医学界が作成している[DSM5(精神疾患の診断•統計マニュアル第5版)]に基づいて表記しています。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害を持つ子供は、対人関係に問題が出てきます。その場の環境、例えば保育園やお友達に馴染めない、コミュニケーションがうまくとれないといった問題です。また、1つのことしかできない、特定のものにしか興味がない、反復行動がみられるのも自閉症スペクトラムの症状です。

【自閉症スペクトラムの特徴】
•他者の気持ちを汲むことが苦手。
•言ってはいけないことを悪気なく言う。
•音や光、痛みに敏感。逆にそれ以外のものには鈍感など、過敏性と鈍感性の差がある。
•言葉を介したやりとりが苦手で、会話が成り立たない、話が通らない。
•ひたすらくるくる回る、ひたすら身体を左右に動かすなど常同行動がある。
•切り替えが苦手。
•興味関心の幅が狭く、特定のもの、人、事柄への執着が強い。
•一人遊びが多い。
•おうむ返しが多い。
•何度も同じ質問を繰り返す。
•予定や手順が変わると混乱してパニックになる。

【自閉症スペクトラムへの対応】
●言葉での指示は短い言葉で具体的に
自閉症スペクトラム障害を持つ子供は、他者と距離感を取る、他者のことを考慮することが苦手です。そのため、「言わなくてもわかるだろう」「暗黙のルール」は通用しません。指示をするときは具体的に短い言葉でわかりやすく、そして根気強く伝えることが必要です。
●目に見える形で伝える
言葉よりも視覚の方が伝わりやすいので、絵が書いてあるカードや実物、写真を使って指示します。例えば、靴を脱ぐ場所に靴のカードを貼っておいてカードを指さしながら「ここで靴を脱いでね」と言えば、発達障害を持つ子供でも理解しやすくなります。
●落ち着いて過ごせる環境を作る
音や光、目に見えるたくさんのものにも敏感で、周りに多くのものがあると落ち着きが保てなくなります。何か行動をするときは、落ち着いて静かに過ごせる環境を用意することも大切です。
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hag.com【はぐこむ】編集部 hag.com【はぐこむ】編集部